ユネスコの無形文化遺産 ―Intangible Cultural Heritage of the UNESCO―
奈良市東部(都祁地域)の小さな集落で伝承されてきた「題目立(だいもくたて)」は、国の重要無形民俗文化財で、2009年に京都祇園祭の山鉾行事などとともにユネスコの無形文化遺産に登録されています。室町時代から続く神事芸能で、語りものが舞台化した初期の形を伝えている中世の芸能であると同時に、成人儀礼としての性格をもっていたとも言われます。
毎年10月12日の夜に行われますが、当日の夕方6時前になると提灯にも灯りがともされ、少しずつ人が集まってきます。
八柱神社の隣にある元薬寺では、装束と草履が主役の到着を待ちます。神事の本番は午後7時からですが、6時頃から準備の様子を見学することもできます。重要無形民俗文化財とは言っても意外と和やかな雰囲気で、主役は、17歳を中心とした青年たちです。
7時前になると元薬寺から「みちびき」を謳いながら長老の先導で八柱神社の境内に入ってきた青年たちが舞台の中に入ります。所定の位置につくと、呼び出し役が台詞の順番と役名を呼び、それに呼応する形で8人の演者がそれぞれの台詞を独特の節回しで語ります。曲目は「厳島」「大仏供養」「石橋山」の3曲が伝わり、近年は「厳島」と「大仏供養」の2曲が1年交代で演じられています。ただし氏神の造替があるとその年から3年間は「厳島」を演じるしきたりとなっています。また「石橋山」はあまりにも長尺で深夜に及ぶことも度々であったためか、百年以上も演じられていないそうです。
「厳島」の前半は、ほとんど動きが無く、語りを中心に進みます。クライマックスで平清盛が厳島の弁財天から節刀を授かるシーンになると舞台らしい動きが出てきます。
これが、「語り」から「舞台」への変化の過程と言われる所以でしょう。演目が終わると入ってきた時と同様に長老に続いて演者たちが鳥居をくぐって舞台を去ります。
インフォメーション
2020年は一般見学を中止します。
毎年10月12日の夜に行われます。
神事は19時~20時30分頃まで。18時ごろから準備の様子も見学可能。
店舗・施設名 | 題目立 |
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NAME | Daimokutate |
読み方 | だいもくたて |
開催時期 | 2023年10月12日 |
住所 | 奈良県奈良市上深川町511 |
アクセス | 小倉インターから県道127号を約2km北上、右側に臨時駐車場が設けられます。 |
駐車場 | 当日臨時駐車場あり |